当財団は1993年から日中相互理解の増進事業として、かながわ学術研究交流財団との共催で日中文化講座を開催してきた。2003年度は2月7日(土)の午後に湘南国際センター国際会議場で「中国茶の多様な世界」と題して、横浜華僑総会会長で中国食文化プロデューサーとしても活躍されている曾徳深氏と、中国茶コーディネーターの佐野由美子氏のお二人を講師に迎えて開催された。 第一部は佐野由美子氏が「中国茶を気軽に楽しむためのヒント」というテーマで、家庭でも身近に中国茶に親しめるように茶の種類と選び方、淹れ方について茶芸のデモンストレーションを交えて紹介した。 第二部は曾徳深氏が「奥深い中国茶」というテーマで茶葉の生産地や高級茶葉のオークション、茶館の様子などを自ら訪ね歩いて撮ったスライドを写しながら紹介した。いずれも分かりやすい内容で、参加者は我が家でも中国茶を淹れてみようと熱心にメモを取りながら聞いていた。 第三部は「日常で愉しむ中国茶」と題した両講師による対談が行われ、3時間はあっという間に過ぎた。ティーブレイクには福建省の黄金桂、広東省の鳳凰単叢(ともに青茶)のお茶が振る舞われたが、ロビーには優雅な甘い中国茶の香りが立ち込めて、試飲する聴講者には大変好評であった。なお、当日の参加者からいただいたアンケートの回答には、参考になり楽しいひとときであった、茶芸も学びたい、我が家でも茶器を揃えて中国茶を楽しみたい、時間が足りなかった、もう少し聞きたかった、もっと試飲したかったなどという声が多かった。 (2004年4月)